Echoの日記

ゆっくりと言葉を綴る日々

初めての洋楽

「皆さんが初めて出会った洋楽は何ですか?」

自分の中では意外と気になる質問だ。昔のことを振り返るとき音楽が、とりわけ洋楽がBGMのように流れていたりするから。

 

中学一年生で初めて英語を習い始めた。今は小学校でもう英語教育が始まっていて学校に英語ネイティブの先生を迎えて楽しく英語学習が進められているようだが、私の頃は学校で初めてきちんと英語を習うのは中学に入ってからだったからそれはそれは期待で胸がいっぱいだった。

 

とは言え、父が英語が好きで我が家では英語の新聞を音読する父の声が響いているのは日常だった。何をしゃべっているのかはわからないけれど居間の陽だまりの中、父が抑揚をつけて英語の記事を読んでいるのを聞いていると何となく憧れのようなものを感じた。

 

中学一年の頃、クラスでラジオの深夜放送を聴くのが流行った。私も夜遅くまで起きて布団の中でラジオを聴いたりしていた。親に見つかるとまずいような気がして布団にもぐり音量を下げて聞いていたような思い出がある(布団の中で電波って届くのかな?)

 

そんな中で私の頭の中にすっと入ってきて忘れられなくなった曲がある。

レターメンという男性ボーカルグループの「ラヴ」という曲だ。

 

Love is real,  real is love

Love is feeling,  feeling love

Love is wanting to be loved

 

で始まるこの曲はゆっくりとしたピアノの伴奏に乗り男性3人の優しい声で囁くように歌いあげられる。ほんの少しサビがありあとはまたゆったりと最初のフレーズにもどり、だんだんとフェイドアウトしていく静かな静かな曲だ。初めて英語を学び、少し大人になったような気持でこっそり聴くラジオから流れるこの曲が私が初めて出会った洋楽だと思う。

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当時住んでいた家の近くに、小さな商店街がありその中にレコード屋があった。

私はお小遣いの500円玉を握りしめて......と書こうとして気が付く。当時はまだ500円硬貨などなかったはずだ。記憶にそうあるのは多分シングル盤のレコードが500円しなかったからかも知れない。とにかく、お小遣いを握りしめてドキドキしながらレターメンの「ラヴ」のEP盤を買ってきた。

 

 

レコードプレーヤーは隠して聴くことはできず、サンルームのようなところで一人で何度も何度もそのレコードを聴いていた。

ある日、あまり話しかけてこない父がやってきて何を聴いているんだと尋ねた。

その曲を聴いた父は「いい曲だ。英語を勉強するならこんな曲をもっと聴くと良い」と言った。褒められたような気がした。

 

その後も私はラジオを聴き続けた。音楽の好みも次第に変わってきて次に好きになったのはChicago というアメリカのロックバンドで一般的なロックミュージックに金管楽器が加わったような曲が特徴的だった。

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またお小遣いで Chicago の "Questions 67&68" という曲のレコードを買ってきて夢中になって聞いた。

父は今度はどんな曲を聞いているんだとやってきたが、少し聞いてみたあと今度は何も言わず去ってしまった。がっかりさせてしまったと感じたが、それからは自分の好みのままに私の深夜放送ライフは高校受験くらいまで続いた。

 

 

今は亡くなってしまった父とは生前あまり会話をしなかったがこの音楽の思い出もそうだけれど、基本的に私は父の期待に沿った生き方をできなかったかもしれない。

アメリカ留学中もパッとしなかったし、大学受験も就職も失敗してしまった。

けれど、そのことで父は何も私を責めなかった。もっと英語ができるようになり父を喜ばせたかったというのもあるが、それより父は私がもっと父に寄り添い話しかけてあげることを望んでいたかもしれない。

 

レターメンの「ラヴ」はそんな意味で父と私の数少ない思い出の一つである。

「ラヴ」という曲が実はジョン・レノンの曲のカバー曲だったことを知ったのは大人になってからだ。彼の曲が世界中の人の心を動かすのは確かだけれど「ラヴ」の切ない調べはレターメンに軍配が上がると私は今も思っている。

 

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今日はクリスマスイブで運転中のラジオからジョン・レノンの Happy Xmas(War Is Over) が流れてきて昔のことを思い出してしまい書いてみました。

皆さまも素敵なクリスマスを!!

 

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